令和版「広告業界用語辞典」

元々、怪しい広告業界用語辞典というのがあったのですが、かなり古い情報しか載っていませんでした。サイト自体も30年以上前(1989年!)のものだったので、この度大幅に内容をの変更・追記などをさせていただいています。

インターネットメディアが姿形なかった頃から、どのように変化していったのでしょうか。

アウトプットイメージが見えない

【意味】本来は、“最終的な方向性・結論が現時点では不確定”という状態を表す時に用いるのが筋。 でも、業界では「オメーの言ってることが、サッパリ分からない。 一体全体、何やりてえんだよ?」という、相手に対する“不信感”を表明する 時に使う。こう言われた方は「何?見えない?見えないんじゃなくて、 テメーこそ何も考えてないんじゃねえかよ。いいかげんにしろよ、タコ」 と心の中で言い返すが、決して言葉にはしない。

【使い方】「今度の提案資料なんだけど、アウトプットイメージが見えないよね。 もっと与件を明確にしてから依頼してしてほしいワケ」 「え、どこらへんのイメージがつかめないの?」

朝イチ・午後イチ

【意味】本来は、朝イチ=9時30分、午後イチ=13時を指す時に用いるのが筋。 でも、業界では「どこが朝イチ・午後イチ」なのか全く分からない程、 個人によって受け止め方がマチマチのため、会議が成り立たない時が多い。 ひどい時は、朝イチ=10時過ぎ、午後イチ改め午後2時=ただの午後2時を 指すので、“イチ”には何の意味もない。

【使い方】「じゃあ、次の打ち合せは、明日の午後イチということで・・・」 「午後イチね、了解了解」

類義語:今日中に

あとは金額の問題だけ


【意味】本来は、他の全ての問題がクリアになって、最後に“そんなに大きな問題” ではないが“金”の件だけがクリアになっていない時に用いるのが筋。 でも、業界で“金”以上に重要な問題がある訳がなく、この言葉は単に、 「問題の先送り」にしか過ぎないにも拘らず、皆は「そうか、あとは 金の問題だけか」と誤解してしまう。

【使い方】「いい企画じゃん、これ。最高に面白いよ。やろうやろう」 「でしょ。是非やりたいんだ。まあ、あとは金の問題だけ、何だけどね」 「金かぁー。そうなんだよな、予算的には辛いわなー」

【類義語】あとは時間の問題だけ

あとは時間の問題だけ

【意味】企画内容や方向性などは問題ないが、時間がないときに使う。制作会社にハッパをかけたり、営業やスタッフなどが徹夜したりして終わらせる。

【使い方】「問題ないけど、あとは時間の問題だけだね」 「なる早でクリエイティブから絵コンテもらえるようにします」

いいか悪いか別にして

【意味】本来は、「良い」とか「悪い」とかの次元ではなく、物事の本質に対して こうあるべき、と言う正論を述べるときに用いるのが筋。 でも、業界では「自分の意見に全然、自信がない」時に、相手をだまくらかすために使われる。

【使い方】「じゃあ、メディアプランはデジタル中心、ということで・・・」 「いいか悪いか別にして、メディアの予算はもっと少なくても良いんじゃない?今回はPRにもっと予算をかけたほうがいいと思うんだよね」

確認します

【意味】本来は、その場で初めて言われた事に対して用いるのが筋。 でも、業界では百万回言われた事でも、全然確認していない場合が多いのでほとんど毎日のように、このコトバがあちこちで聞かれる。

また、近年ではメディアのことも制作のことも全然わかっていない営業担当が、打ち合わせのたびにこの言葉を繰り返すので問題になっている。

【使い方】「先週、頼んでいたタレントの契約料の件だけど、調べてくれた?」 「アッ・・・帰りまして早急に確認します」

仮押さえ

【意味】本来は、“確定ではないが、確度が高いもの”に対して用いるのが筋。 でも、業界では“とりあえず感覚”で使うので確度の高さを知る事は不可能。 特に“媒体スペース”“人のスケジュール”に関してこの言葉がよく使われる が、いつになったら“本当の押え”になるのか、発注した本人もわからない ため必ず「言った、言わない」「頼んだじゃん、聞いてない」といった不毛のやりとりが、あちこちで見受けられる。

媒体への仮押さえについては、主にデジタルの枠買いのメニューで「期限つきの仮抑え」が行われる。テレビの場合は「優良顧客に優先的に案内して、スポンサー枠を抑えておく」というという仮押さえが見受けられる。

【使い方】「8月1日のYouTubeマストヘッド、仮押さえしといてよ」 「分かった。仮押さえね?その日だったら大丈夫だと思うよ」

聞いてません

【意味】本来は、連絡事項や依頼を本当に“聞いていない”時に用いるのが筋。 でも、業界では、「自分のド忘れ」を悟られないために、開き直って使う場合が多い。20%ぐらいは“本当に聞いていない時”があるが、 そういう時は鬼の首を取ったように「高圧的な態度」にでるケースが多い。

特にTV担当者の場合だと、あえてメールなどの文面に落とさずに交渉を進めることが多いため、言った言わないの問題になることが多い。最終的には、どちらか力の弱いほうが譲歩しなければいけないことになる。

【使い方】

・ド忘れ篇
「明日の打ち合せだけど、だいたい企画は固まった?」 「聞いてません、何の話?いつ決まったのよ、そんな話」
・鬼首篇
「この前のマストヘッドの仮押さえを発注したとおもうけど、大丈夫だよね?」 「聞いてません、何それ?ちょっと待ってよ。いきなりじゃん、そんな話。 いまさら取れる訳がないじゃん。ー以下ウダウダ・・・」

基本的には、OK。

【意味】本来は、ほとんど何の問題もなくOKな時に用いるのが筋。 でも、業界では、「全然OKじゃない。むしろやばい状況」 でも平気で使う時が多いので、全くあてにならない。

【使い方】「この前のスポンサー試写どうだった?」 「基本的にはOK。でも2ー3ちょっとしたリクエストがあって・・・」 「どんなこと?」 「まあ、めっちゃやばいって訳でもないんですけど。同録で取ったタレント のコメントが気に入らない、っていいだして・・・まあ、最悪取り直しかな、 みたいな・・・」

基本的には

【意味】本来は、本当に基本的なはなしをする時に用いるのが筋。 でも、業界では「基本もクソもあるかよ。これが全てだぜ」という強い 意志を持って話すときに使われる。

【使い方】「どのプランがお奨めなの?」「基本的には、A案で行きたいと思います」

キャツチボール

【意味】本来は、野球用語で「ピッチャーとキャッチャーが球を投げ合い、徐々に 肩の調整をする」時に用いるのが筋。 でも、業界では「得意先vs代理店」「営業vsスタッフ」間の時間ばかり かかって、意味のない“意見のやり取り”をする時に使う。 そりゃあ、何度かやり取りするうちに、少しは前進するが本来ならば、 もっと計画性と具体案をお互いに持っていれば済む話である。

【使い方】「コンセプトが、いまいち弱いよなー。もう少しキチッとなんない?」 「まあ、今日のところはこのぐらいにして、また来週にでもキャッチボール しながら、固めていくと言うことで・・・」

【類義語】バケツリレー

逆にいうと

【意味】本来は、相手の発言に対して、自分の意見が正反対の時に用いるのが筋。 でも、まともに正面切って「オメーの言ってることは全然違うぜ」と言うと 角が立つので“潤滑油的”な意味を持つ。

【使い方】「今回のキャンペーンのタレントは男で行きたいな」 「逆に言うと、女でもいいんじゃないかな」

広告っぽくしたくない

【意味】本来は、“読んで字の如し=広告ではない”時に用いるのが筋。 でも、広告業界で“広告じゃない物”を作ることはあり得ない。 にも拘らず、制作者が「ダセーのは、やりたくねーよ」という時に、 意味不明で使う。 注☆反対語=「表現っぽくしたい」

【使い方】「今回の商品は、堅いっていうか難しいのは確かだね」 「やるんだったら、広告っぽくしたくないなあー。表現っぽくしたいなあー」

【類義語】カンヌっぽい感じ

ここだけの話

【意味】本来は、極秘の話を“相手を信頼してるから特別に話す”時に用いるのが筋。 でも、業界では「ここだけの話=皆が知ってる話」と言う意味に使うので、 こう言われたからといって「あー、俺はこいつに信頼されてるんだなー」等と 感違いしてはいけない。だいたい、この手の話は関係者の95%が知っている ので、誰も知らないだろうと思って「お前、知ってる?実はさあー」なんて 得意げに言うと恥をかく。

【使い方】「例の新番組の件、何か分かった?」 「ここだけの話、あの新番組は企画が没らしいぜ」

5分だけ時間ある?

【意味】本来は、本当に5分だけ相手と話をしたい時に用いるのが筋。 でも、業界では「5分で済んだ」試しはなく、たいていの場合延々と捕まって どうでもいいような話を何時間も聞かされるハメに陥るので、このセリフが でると本能的に逃げるようになる。

【使い方】「おー、いいところで会ったよ。探してたんだ。5分だけ時間ある?」

最悪

【意味】本来は、本当に“最悪=どうにもならない状況”の時に用いるのが筋。 でも、業界では“最悪=普通の状況”として使うので、状況を把握するのには 何の役にも立たない。 また、“最悪”といった時点で物事はその状態で進んでいくケースが多い。

【使い方】「このコピーじゃ、ちょっと辛いんじゃないかな。別案ないの?」 「最悪これでいこうよ。悪くないよ、これ」

宿題

【意味】本来は、小学校で児童に対して“課す事項”を指す時に用いるのが筋。 でも、業界では“得意先から与えられた課題”を軽いノリで表現する時に 使うのだが、その内容は決して軽くはない。また、本来の“宿題”ならば、 やらなくても、せいぜい廊下に立たされるのが関のヤマだが、この場合の “宿題”はやらないと“とんでもないこと”になるので注意が必要だ。

【使い方】「じゃあ、グラフィックはやり直しだからね」 「はい。それでは宿題ということで、持ち帰りまして、再度検討します」

じゃ、そういうことで

【意味】本来は、その会議の出席メンバー全員の合意が得られた時に用いるのが筋。 でも、業界では長時間の会議に嫌気がさしてケツを切り上げる時に使われる ので、「結論として何が決まったのか、誰も分からない」場合が多い。

【使い方】「まあ、いろいろ意見も出たし、今日はフレームづくりだから、 こんなとこでいいんじゃない?次は来週の水曜日にでも、もう1回ももうよ」 「じゃ、そういうことで。ども、お疲れさまでした」

仁義をきる

【意味】本来は、任侠道の世界で、自分の身分を名乗る時に用いるのが筋。 でも、変なところでカッコつける業界では“単に話を通しておく時”に 使うので、知らない人が聞くと「年中、仁義ばかりきっている変な世界」 と誤解する。

【使い方】「第1制作局のコピーライターを一人、この作業に加えようと思うんですけど」 「よっしゃ。局長には俺から仁義をきるからよ、任せとけ」

全然時間ない

【意味】本来は、寝る時間も含めて全く時間がないときに用いるのが筋。 でも、「暇な奴は仕事のできない奴」という怪しい慣習がある業界では、 暇人と思われるのが嫌で、99%の人間が使う言葉。こういう奴に限って、 クラブに行ったり、女遊びをする時間はタップリある。 このセリフを吐く時は必ずカレンダーを覗き、眉間にシワを寄せて「まいったなー」と独り言を言う。そのスケジュールを のぞいて、よーく見ると「送別会の予約を入れる」「〇〇誕生日」「」等 といった仕事とは全く関係のない事で埋まっているケースが多い。

【使い方】「次の打ち合わせ、来週やりたいけど時間ある?」 「全然時間ない。今、メチャ忙しくてさあー参ってるワケよ」

ターゲットはM1

【意味】本来は、当該商品の訴求対象が“若い女の子”である時に用いるのが筋。 でも、業界では、“あらゆる商品の約70%”が若い女の子狙いであるため、 新鮮味のないコトバになってしまっている。 狙われた“若い女の子”もいい迷惑で、「私たち、そんなにお金ないわよー」 という声が巷にあふれている。

【使い方】「この商品のターゲットは、若い女の子に絞りましょう」 「そうだよね、やっぱ若い女の子だよね。じゃあTVCMあ打たなくていいか。」

担当者レベルではOK

【意味】本来は、得意先の担当者は完全に了解したという時に用いるのが筋。 でも、業界では“単なる気休め”に過ぎず、結局は何もOKになっていない ケースがほとんど。この言葉を信じて作業を進めていると、悲劇の大逆転劇が 起きた場合「OKって言ったじゃないかよ!」「いや、あれはあくまでも 担当者レベルの話だから・・・」という身内の争いが生じる。

【使い方】「プレゼンの感触は、どう?」 「うーん、担当者レベルでは、OKなんだけど・・・上の方が、ちょっとね」

って言うかー

【意味】本来は、相手の意見に対して「そういう事ではなく、むしろこうだと思う」 という“否定語”として用いるのが筋。 でも、業界では「お互いに傷をなめあう」習慣があるので、モロには否定 しないでこういう言い方をする。ひどい奴になると、相手の発言に対して全て このセリフを吐くので「お前は何様のつもりだ!」と心の中で罵る時がある。

【意味】「じゃあ、CMはTBS中心で考えるということで・・・」 「って言うかー、シェアトップは日テレでもいいんじゃない?」

捕まらない

【意味】本来は、どうしても連絡を取りたいのだが八方手を尽くしても相手に連絡が つかない時に用いるのが筋。 でも、業界では“連絡すら一度も取らなかった”のに「いない相手が悪い」 という“開き直り”でよく使われる。

【使い方】「イラストレーターの人と連絡取れた?つかまえなきゃヤバイよ」 「それがねー、全然捕まらないんですよ。こっちも、まいっちゃってさぁ」

て・に・を・は、だけ直す

【意味】本来は、本当に“助詞”の“て・に・を・は”だけを直す時に用いるのが筋。 でも、業界では「だけ」と「予算内」で収まった試しはなく、ひどい時には “キャッチコピー”まで直される場合も多いので油断できない言葉である。

【使い方】「明日が入稿ですので、もうここまできたら、“て・に・を・は”だけ直す、 ということで、宣伝部長にお伝えください」 「見るだけ見ておくけど、部長は言葉にうるさいから、責任は持てないぜ」

とりあえずラフだけど

【意味】本来は、まだまだ十分検討されていないが、現時点での“粗い試案”に対する 言い訳の時に用いるのが筋。 でも、ラフと言いながら「これで行くぜ」という強気で使う場合 (この場合絵コンテ・カンプと進んでもラフ案から全然変わらない事が多い) と、「考える時間がなかったんだから、これしかできねえよ」という 捨てぜりふ的に使う場合がある。

【使い方】

・強気篇
「来週がプレゼンだけど、何かいいのできた?」 「とりあえずラフだけど、ここらへんの案で考えているんだ。 結構面白いって周りの女の子達も言ってくれる訳よ

・捨てぜりふ篇
「急ぎで悪かったんだけど、どう?」 「とりあえずラフだけど、これは本当にラフだからね!こういう仕事って さぁ、やりたくないのよ。やっつけになっちゃうからさぁ」

とりあえず走りながら考えよう

【意味】本来は、陸上選手が走りながら何かを考える時に用いるのが筋。 でも、業界では陸上選手と何も関係なく「何も考えていないが、すぐにやら ないと間に合わないので、いきあたりばったりで作業する」時に使う言葉。 最初から誰も何もか考えていないので、時間ばかり経過し何もまとまらない事 が多い。 注☆類義語=あとは、成り行きで

【使い方】「例のイベントの企画だけどさー、来週プレゼンなんだよね。どうする?」 「とりあえず走りながら考えようよ。基本的には、あとは成り行きで」

白紙の状態

【意味】本来は、「何も決まっていない」即ち、「これから皆さんの知恵を借りて 考えて行きたい」という“謙虚な”気持ちを伝える時に用いるのが筋。 でも、業界では、特に得意先が「そんなもん、考えてるわきゃねーだろ。 せっつくんじゃねーよ、本当に。可愛くねーな」という“開き直り”の時に よく使われる。それを聞いた“営業マン”が、よせばいいのに社内に帰って きてから「例の件は、白紙の状態だー」と胸を張って報告し、スタッフから 「なに威張ってんだ、バカ」とひんしゅくを買うケースがよくある。

【使い方】「秋以降の宣伝計画は決まりましたでしょうか・・・へへへ」 「白紙の状態だ。まあ、俺なりの思惑はあるけどな。まだ言う段階じゃない」

腹をくくる

【意味】本来は、本当に、“不退転の決意で臨む”時に用いるのが筋。 でも、業界では“単なる気合い入れ”として用いられる。特にダメな営業ほど この言葉を連発するので、スタッフはほとんど聞き流してる。

【使い方】「営業さん、制作のお奨めはA案だからね。得意先にキチッと伝えてよ!」 「俺も営業として、腹をくくるぜ。ビシッと仕切ってくるからよ」

フレームづくり

【意味】本来は、“基本骨子”をしっかりと固める時に用いるのが筋。 でも、業界では「なんとなく、皆の思惑を大雑把に出し合う」時に使う。 事前に「今日の目的はフレームづくりだから」と、分かっている場合はあまり なく、ほとんどの場合は“ダラダラと長い会議をしてしまい何も決まらなかっ た”時に、ディレクターが「言い訳」+「皆を安心させるために」使う。

【使い方】「今回のコンセプトワーク、結構ややこしいね。作業、大変じゃん」 「まあ、今日は、フレームづくりだからさ。また、皆で持ち寄ってやろうよ」

変な話

【意味】本来は、本当に“ヘンなハナシ”をする時に用いるのが筋。 でも、変でも何でもないのに意味もなく“接頭語”として使う時が多い。

【使い方】[CXの番組空枠状況どう?うちは入れそうかな?」 「変な話、今はすごく混んでてさ、結構まいっちゃってる訳」

補足すると

【意味】本来は、相手の言った内容に対して“簡単な補足”をする時に用いるのが筋。 でも、しゃべりたがりが多い業界の人間の間では、“補足”と言いながら 実は全部言い直すことがよくあり、会議がやたら長引くので、この一言が でたら、要注意。

【使い方】「今の説明に対して、何かある?」 「補足すると、まずキャンペーンの企画意図はさあー(以下10分程度)」

ほとんど気にならない

【意味】本来は、非常に些細な事なので“99%気にならない”時に用いるのが筋。 でも、業界では“単なる傷のなめあい”にしか過ぎず、本当はメチャ気になる のだが、それを言い出すと“大変な事態”になるのでよく使う。 この言葉を言う人が多ければ多いほど、事態は深刻である。

【使い方】「写真のあがりが、ちょっと甘くてさあー。どう?気になる?」 「ぜーんぜん。ちょっとあれだけど、ほとんど気にならないよ。お前は?」 「僕も、最初はちょっとだけ引っ掛かったけど、ほとんど気になりません」

○○の意見には賛成。ただ、ひとつ違うのは

【意味】本来は、賛成しているのだから、もし付け加えるとしても本当に1点だけの 時に用いるのが筋。 でも、ほとんどの場合は「ひとつ違う」が大嘘で、実は「全部違う」という、 とんでもないコトバ。「賛成なんだな」なんてホッとしていると足元を 救われて愕然とするので要注意。

【使い方】「というわけで、クリエイティブはB案でいいと思いますが・・・」 「僕もその意見には賛成。ただ、ひとつ違うのはA案の法が良いと思っている、って言う点」

もちろん、やらないって訳じゃなくて

【意味】本来は、「ちゃんと、やります」という意志表示の時に用いるのが筋。 でも、業界では、“得意先の無理難題”に対して“ささやかな抵抗” として使う場合がほとんど。しかし、最後は“やらないと”出入り禁止になる。

【使い方】「来週までに3方向以上の企画を持ってきてよ」 「来週までですか?そりゃあ、めちゃキツイですよ」 「できないって言うの?」 「もちろん、やらないって訳じゃなくて・・・。ただ、いきなりなんで」 「じゃあ、やってよ。でも手抜きはだめだぜ」 「だから、もちろん、やらないって訳じゃなくて、やるんですけど・・・。 やるんですけど、来週っていうのはチョッと・・・」 「だめ!来週だ!絶対だからね」

休み明けでいいから

【意味】本来は、月曜日に“来週でいいから”という時に用いるのが筋。 でも、業界では“金曜日の夕方”に得意先から電話が入り言われる場合が ほとんど。これは、よーく考えると“土・日でやれ=休んでんじゃねえぞ” という事なのである。 もっとヒドイのは12月29日に「年明けでいいから」というオーダーが ある。これは“正月が休めない”という事なので、さすがに代理店も 「そこを何とか、1月半ばぐらいまで延ばしてもらえませんでしょう か?・・・」と粘るが、延びてもせいぜい2ー3日なので、1月10日位で 手打ちをするケースが多い。

【使い方】「グラフィック案はラフでいいから、急いで出してよ」 「今日が金曜日ですから、来週の後半でいいっすよね?」 「ダメ!休み明けでいいから。本当にラフで構わないから」

よろしくどうぞ

【意味】本来は、会話の終わりに「以上の件、宜しくお願いします」という言葉で 相手に伝えるのが筋。 でも、業界では「よろしく」「どうぞ」というバカ丁寧な言葉を、 意味もなく2度繰り返すケースが多い。一見、非常に丁寧なようで、 実は気持ちが全くこもっていないので、騙されてはいけない。

【使い方】「じゃあ、来週の金曜日に伺うと言うことで、よろしくどうぞ」

来週アタマに

【意味】本来は、“アタマ”というからには月曜日を意味する時に用いるのが筋。 でも、業界では月曜日になったためしはない。だいたい火曜日から水曜日に なるケースが多い。ひどい時には、金曜日ぐらいになる時もある。 この用語は主に木曜日頃に「今週はもうやりたくないから、来週に先送り しよう」という心理状態に陥った時に、最もよく使われる。

【使い方】「新製品のピッチの打合せ、いつやる?」 「来週アタマにしようよ。今週は、色々たてこんじゃってさ、時間が全然ないのよ。」

分かる分かる

【意味】本来は、本当に相手の言ったことを理解した時に用いるのが筋。 でも、“知ったかぶり大好き”な業界人は「自分だけが取り残されるのが嫌」 で全然分からなくても、この言葉を使う。こう言われたからといって、 自分の意見が皆に理解されたと思ったら大きな間違いである。

【使い方】「まだ文章にできる段階じゃなくて、頭の中にしかないんだけど・・・」 「うん、分かる分かる」

お得意

【意味】得意先の意味。苦々しく思っている場合などによく使われる。

【使い方】「なんかお得意はこう言っているらしいよ」「たっく、何考えてるんだよ」

バケツリレー

【意味】得意先と自分との間に何人もの人が挟まって、ただ同じ内容を伝えていること。要約して話したり、自分の案などを付け加えずに話す、使えないやつらに対して使うことが多い。

【使い方】「あの営業はただバケツリレーしているだけだよね」

汐留

【意味】電通の別称。博報堂を「赤坂」、ADKを「虎ノ門」、サイバーエージェントのことを「渋谷」と呼んだりすることはない。

【使い方】「なんか汐留の方で提案が進んでいるみたいですよ。」「そうか、だとしたらこっちも急がないとな。」

あれ俺詐欺

【意味】広告業界の様々な場面で聞かれる「有名なあの案件は俺がやった」という意味の主張のこと。

本来は「あれは俺がやった」と言って良いのは、広告主と営業だけのはずだが、営業・クリエイティブ・ストプラ・メディア・制作会社などが社内外問わず全員「あれは俺がやった」というため、誰が結局やったのかわからなくなる。

【使い方】「あれ実は俺がやったんだよね。」「お前はスタッフとして入ってただけだろ。またあれ俺詐欺か。」

競合

【意味】競合ピッチの略。「俺がいるのに競合なんかにするんですか?」という営業の言葉に「そうは言っても、会社から競合にしていい案を持ってきてもらえと言われる」と担当者は良い、競合ピッチがスタート。営業は足繁く得意先に通い、スタッフは何日間も徹夜することになる。

最終的にそれぞれの代理店の領域に変更がなかったりすると、なんのために徹夜をしたのか分からなくなる。

【使い方】「うちの扱い、今度は競合になったらしいよ」「本当かよ。いよいようちも危ないな。」

ちゃぶだい返し

【意味】プレゼンの2-3日前にいきなり会議に参加したと思ったら、前提を覆すようなことを言う上司のこと。上司なのであまり強く反対するわけにはいかず、的をいている場合もある程度あるため、そこから軌道修正がスタート。また深夜残業がはじまる。

【使い方】「また始まったよ、あの部長のちゃぶだい返し」

なる早

【意味】本来なら「とにかくすぐにでも欲しい」というニュアンスだが、そうでないのに「なる早」を連発する人が増えたために、全く意味をなさなくなってしまった。

【使い方】「ごめん、これ急いでいるからなる早でちょうだい!」「またなる早ですか。仕切りが悪いよ、営業さん。」

今日中に

【意味】本来は「今日の営業時間中(17時、遅れても18日)までに」という意味であったが、度重なる長時間労働によって感覚が麻痺。「24時までは今日」と解釈する人と、「明日朝(10時ぐらい)までが今日」と解釈する人が出てきているため、ほとんど意味をなさなっくなった言葉である。

【使い方】「ごめん、これ今日中でお願い。」「了解、今日中ね。」

エビデンス

【意味】広告を出稿した証明のこと。広告主から求められることがあるが、新人は「エビデンスを下さい」と言われてなんのこっちゃわからないことが多数。

【使い方】「エビデンスちゃんと得意先に送ったか?」「すいません、エビデンスって何ですか?」

鉛筆なめなめ

【意味】数字を作ること

【使い方】「鉛筆なめなめして、ぎりぎり得意先からOKと言われるぐらいの金額でもっていこうよ」

あごあしまくら

【意味】食事代、交通費、宿泊代のことをまとめて呼ぶ

【使い方】「あごあしまくらは金額に含まれているか、ちゃんと確認しておいて!」

カンヌっぽい感じ

【意味】 2010年代に、社会課題に則したアイディアがカンヌライオンズで最優秀賞を取るようになってきたため、「広告っぽくないもの」のことをカンヌっぽい感じで言う。

ONE SHOWっぽい感じや、AdAsiaっぽい感じとは言わない。

【使い方】「なんか今回はカンヌっぽい感じでいきたいな」「それだったら、CDは〇〇さんが適切だと思うよ」

営業受理

【意味】TVCMの審査において、TV局側の考査に通らなかったが「営業の責任において受理します」ということ。局考査では、ほとんどいちゃもんのような理由によって審査NGが出ることが多いので、それをひっくり返すために使われる言葉

【使い方】「すいません、考査NGでした」「営業受理ってことにしてもらえないの?」

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